インタビュー回。スーパーマーケット跡地にインテリアショップを開いた理由。インテリアはもっと自由にえらんでいい。コーディネートの実験場に。富山県氷見市のインテリア
COMPASS × soretona presents
COMPASS magazine
vol.01
お世話になっております。soretona宮下です。
前回のvol.00に続き、富山で空間デザイナー・骨董屋として活躍されているCOMPASSの川邊さんとともに「COMPASS Magazine」をお届けします。今回は、10月8日にオープンした「COMPASS ISEOMACHI(伊勢大町)」について、なぜスパーマーケット跡地を店舗に選んだのか? 何をしようとしているのか?などについてインタビュー形式でお届けします。

本メールは、COMPASS及びsoretonaとご挨拶をさせていただいた方々、メルマガ配信をご希望くださった方々に送信しています。
インテリアで空間を蘇らせたい!老舗スーパーマーケット跡地のインテリアショップに込めた想い。
前回、COMPASS ISEOMACHI(伊勢大町)のオープンをお知らせした「COMOASS Magazine」。今回はCOMPASS ISEOMACHIのコンセプトや、このショップを通して伝えたいこと、したいことなどをインタビュースタイルで深掘りします。なぜ、老舗スーパーマーケット跡地をインテリアショップの立地として選んだのか?を通して、オーナー川邊さんの想いが見えてきそうです。
おさらい:COMPASS2店舗目となる「COMPASS ISEOMACHI(伊勢大町)」は、セカンドハンド家具を中心にハイエンドからロープライス品をも扱うインテリアショップとして10月8日にオープンしました。そのセレクトもさることながら、いわゆる地元の老舗スーパーマーケット「こしだスーパー」の2階部分をほぼ改装せずに利用しているという点も気になるところ。
ショップの概要やおおまかなコンセプトは、前回の記事をご覧ください。
「旧こしだスーパー」でインテリアショップをオープンしたのは、ものに添えられた人々の想いを残したかったから。

ーー2店舗目をオープンを聞いたときから、なぜ旧こしだスーパーを2店舗目に選んだのか、なぜほぼ改装せずにインテリアショップとしてオープンしたのか?が気になっています。まずは、こしだスーパーと川邊さんの出会いから教えてください。


川邊 旧こしだスーパーは氷見駅前大通りの一番目立つ交差点にあって、地元の人なら誰でも一度は足を運んだことがあるいわゆる地元の人に愛されたスーパーマーケットです。もちろん私もその例外ではなく、子どもの頃に母親に連れられて買い物に来た思い出もあります。1939年創業ですから83年間営業し続けていたということになりますね。ショッピングモールなどができるよりも遙か昔、氷見で大きなスーパーといえばこしだスーパーでした。1階には食品、2階には衣料品などが売られていて、COMPASS ISEOMACHIを構えたのはこの2階部分です。


川邊 閉店後のこしだスーパーを内見に行った時、見た瞬間に「借りたいです!」と口走っていました。買い付けたセカンドハンド家具などをスタンバイしておく倉庫となる物件を探していたのですが、空間だけになったこしだスーパーを見た瞬間に「ここでインテリアショップをしたい」と思ったんですよ。ここなら、ずっとやりたかったことができるかもって。

オープンしたばかりのCOMPASS ISEOMACHIでお喋りする川邊さん。

ーー閉店後のこしだスーパーからほぼほぼ改修しなかったのはなぜですか? ご自身の思い出に由来している部分もありますか?


川邊 私は骨董屋でもあるのですが、できることなら、古いものは必要としてくれる人の元に移っていくのがいいと考えています。その理由は“古いから”ではなくて、ものに添えられている想いが受け継がれることに魅力を感じているからなんです。


旧こしだスーパーには氷見のたくさんの人々の想いがつまっていることを知っています。だからこそ、私はなるべく以前の状態を残したまま、心躍る空間にすることを目指しました。階段手すりを囲んでいるオレンジのアクリル板や、お洋服が展示されていた棚を受けるためのバー、使われなくなった天井蛍光灯もそのまま残しています。スーパーマーケット時代に通っていたお客さんが立ち寄ってくださった時に「懐かしいな」と感じられるパーツをできる限り残したかったんですよね。


また、COMPASS ISEOMACHIでは『インテリアの力で空間を蘇らせる』というコンセプトを掲げています。古い建物でも新鮮さは演出できるし、心躍る空間をつくることができるということを表現していきたいですね。内装工事にお金をかけないでどこまでのことができるのか?を実験したいという私自身のチャレンジでもありました。

ショップとして整える前の旧こしだスーパー。ここに家具やインテリア小物、アートやグリーン、照明などが入って、COMPASS ISEOMACHIが誕生しました。
セカンドハンドのハイエンド家具と骨董、ロープライスアイテムを同列に並べる意味は?

ーーハイエンド家具のセカンドハンド〜ロープライスアイテムを同列に並べて扱うというのは、なかなかチャレンジングな部分もあると思うのだけど・・・


川邊 ですね。これに関しては、いろんな意見があると思います。私は約25年にわたり家具やインテリアを通じて、たくさんのお客様と一緒に住まいや家について考えてきました。

ハイエンド家具は機能もビジュアルも素晴らしい。仕事で納品する機会も多いし、私もその魅力に魅せられた1人です。だけど、誰もが手にできるわけではないってことも現実なんですよね。


理由のひとつは「値段」、もうひとつは「それぞれの方の生活・活動圏内にタッチポイントがない」というのが大きなところかなと考えています。

ひとつ目の「値段」に関しては、セカンドハンド品をセレクトすることで品質をカバーしながらある程度抑えられます。これに関してはこれまでも取り扱ってきたのでひとまずOK。「日常にタッチポイントがない」という問題をCOMPASS ISEOMACHIでクリアにしたかった。

川邊 そんなわけで、価格帯に縛られずオシャレで魅力的なもの、東京に行けば買えるけど富山や石川では見つけるのがむずかしいもの、中古だけどとてもコンディションがいい家具・・・私が仕入れて皆さんに紹介していくショップを作ることにしたんです。

もちろん、価格帯の垣根を取っ払って並列に並べることで全てが解決するわけではありません。だけど、普段選択肢に入れない・入らないものを見たり触れたりすることで、「これいいな」「こういうのもアリだね」って、誰かの選択肢を広げるきっかけになればうれしいですね。

実は難しい“自分の価値観で選ぶ”を、多くの人の“楽しい”にしたい。

ーー人には、ある程度セグメントされているところから選ぶことに安心感をおぼえるみたいなところがあると思うのだけど、川邊さんに相談に乗ってもらいながら選べるってことですか?


そうそう。好みのテイストや、今の暮らしの何を改善するのがよさそうか?など、お客様とお喋りしながら一緒に探っていきます。私はこれまで長く個人邸や飲食店、ホテルなどの空間デザインやインテリアコーディネートをしてきました。そういった経験を、お客様がご自身の審美眼に自信をもってセレクトするためのサポートに使えるといいなって思っています。川邊の経験をうまく使ってください的な(笑)。


私は約5年前に独立したのですが、独立の動機はもっと多くの方々にインテリアの面白さや可能性をお伝えしたい!というものでした。お店を構えることで、これまで空間デザイナーとして受注していた時には関わりを持てなかった多くの方々と直接お話しできるのは私のよろこびでもあります。

COMPASS ISEOMACHIオープン日のようす(2022年10月8日)。
コーディネートの公開実験場としても機能するCOMPASS ISEOMACHI。

ーー今後、COMPASS ISEOMACHIでしたいこととかありますか?


川邊 コーディネートの実験をいろんな人に見ていただける場所にしたいですね。空間デザイナーとしての仕事をする際、レイアウトやカラースキーム、陽当たりの様子を確認するための実験をしたりするのですが、この実験をCOMPASS ISEOMACHIで公開していきたいと考えています。


MINATOGAWAのギャラリーは大正時代から使われている倉庫で、空間の力が強すぎて現代の日本の住まいを想定した実験の場としては使えないんですよ。倉庫だから天井も高いし、陽当たりの関係で色の確認にも向いてないし、なんと言っても和の趣が強すぎて(笑)。


ーーたしかに! かっこいい空間だけど、趣が溢れてて住まいの実験には厳しそうですね。


川邊 そうなんですよ。ISEOMACHIのシンプルな空間は、実験場としてかなりいい感じ。経年変化もあるし、天井高などのスケール感も実際の住まいに近い、窓辺は日当たりがよくてカーテンやラグのムードをチェックするのにぴったりです。奥側には照明の実験ができる程度の暗さもありますからね。

こちらが雰囲気ありすぎと噂のCOMPASS MINATOGAEA(みなとがわ)。この記事の末尾にあるお店のインフォメーションもご覧ください。

ーーフラリとやってきたお客さんが、プロのコーディネート実験を身近に見られるってことですね。それはとっても楽しそう!


川邊 そう感じていただけるならうれしいです。あとは・・・写真家や造形作家などの個展を行うギャラリースペースとしての準備も進めています。現在この建物の1階はがらんどうですが、今後小さなカフェになるなんて話も出ているんですよ。同じような想いを持ってこの建物にお店をかまえる店舗間で人々が交流するような流れができたらおもしろいなって考えています。

【インタビューを終えて】

案外、私たちが認識している“自分の好み”は、固定概念に囚われているかもしれません。自身の好みは知り尽くしてる気がするけれど、実際は「これとこれ、組み合わせちゃダメなんだろうな・・・」とか「他の人が見たらなんて言うかな・・・」とか、無意識に他者の目を意識しすぎて避けてることもたくさんありそう。そんな気持ちのブロックを取り払ことができたら、インテリアはもっと楽しいものになるだろうし、暮らしも快適になる。セカンドハンド利用で環境負荷を下げることにつながるならばその喜びはひとしおです。

川邊さんの想いに共感する人がCOMPASS ISEOMACHIに集えば、インテリアコーディネイト以外にもさまざまに文化的なムーブがありそうな予感!/宮下菜歩 soretona

shop information
COMPASS ISEOMACHI(伊勢大町)

富山県 氷見駅のメインストリートにある旧こしだスーパー2階にオープンしたインテリアショップ。空間デザイナー・骨董屋の川邊栄治(COMPASS代表)の実験の場でもある。ハイエンド家具のセカンドハンドからロープライスのインテリアアイテムまで、「これいいな」「紹介したいな」と川邊の審美眼にかなったものだけを販売。家具・インテリアアイテム・骨董の下取りも行っている(下取りは要相談)。

COMPASS MINATOGAWA(みなとがわ)
COMPASS ISEOMACHI から徒歩約6分。「ここちよいミックススタイルを愉しむアンティークギャラリーストア」として、和箪笥や和骨董など日本の古いものと、ヨーロッパのヴィンテージ小物をミックスし、スタイルに囚われないミックススタイルを提案。もちろん、ショッピングもしていただけます。国の登録有形文化財「みなとがわ倉庫」内にあり、観光を兼ねて訪れたいスポットです。
営業時間、来店予約の方法

●COMPASS ISEOMACHI 
住所/935-0015 富山県氷見市伊勢大町1-1-5 2F
営業/土・日・祝(不定休)12:00〜17:00
※平日のご来店をご希望の方は、お電話にてご予約ください
(川邊:090-1360-2887)

●COMPASS MINATOGAWA (完全予約制)
住所/935-0022 富山県氷見市朝日本町12-22 みなとがわ倉庫内
営業/土・日・祝(不定休)12:00〜17:00
※ご来店をご希望の方は、お電話にてご予約ください
(川邊:090-1360-2887)
 

お休みの予定や新入荷などの最新情報はCOMPASSのInstagramをご覧ください。

■COMPASS代表、川邊栄治について
川邊栄治(かわべえいじ)

1974年10月6日、氷見生まれ氷見育ち。

1997年よりヨーロッパ70ブランドを取り扱う輸入家具・輸入キッチンのコーディネート販売、UKアンティーク家具の輸入に携わり、商品仕入れ・マネージメントを経験。


二級建築士免許取得後、規格住宅の商品開発・営業手法のマニュアル化(若い家族が安心して楽しく暮らせる家づくりシステムを構築)。以後、約10年間で新築50棟、大規模リフォーム50棟の家づくり、住まいづくりをサポート。

2018年2月「COMPASS」設立。約20年間にわたるキャリアを生かし、空間プロデュースを主たる業務とする事業を開始。古物家具・骨董品の買取・リペア・委託販売事業を開始。
住まいやホテル、店舗の空間デザイン・プロデュース、古いテナントビル等の再生デザインを多数手掛ける。

興味関心は、温泉、ホテルのアメニティ、茶道(表千家)、焼き鳥、ロープライスインテリアなど。

今後も「COMPASS magazine」では、COMPASS(川邊さん)が空間デザインに関わったショップや施設の紹介をメインに富山のオススメスポット、日常についてなど、さまざまに配信いたします。お付き合いいただけますと幸いです。

次回は、COMPASS 2022年のお仕事振り返りをお届けする予定です。

information
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COMPASS代表 川邊栄治
kawabe@compass-himi.jp
090-1360-2887
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制作・PRサポート/soretona 宮下菜歩
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